日々の定型業務や複数ツール間のデータ転記に、貴重な時間と人件費を奪われていませんか?業務自動化(iPaaS)ツール「Make(旧Integromat)」を活用すれば、プログラミング知識なしで複雑なアプリ連携を実現し、業務効率を劇的に向上させることができます。
私自身、普段ブログ記事の下書きをNotionで管理しており、「Notionに書いた下書きをAIでブラッシュアップして自動連携したい」と考えたのがMakeを使い始めたきっかけでした。最初は画面がすべて英語で「よくわからない」と戸惑いました。特にNotion連携の認証手順や複雑なデータ構造の理解、さらにGemini APIを呼び出すHTTPリクエストの設定では何度も壁にぶつかりました。
しかし、諦める必要はありません。設定画面やエラーメッセージのスクショを撮り、そのままGemini(AI)に貼り付けて「この設定はどうすればいい?」「このデータ構造のどこを指定すればいい?」と逐一質問することで、専門知識がなくてもスムーズにシナリオを完成させることができたのです。
本記事では、Makeをこれから始める方に向けて、初期設定から実践的なシナリオ構築の5ステップまで、中小企業診断士の経営視点とシステム運用の実務知見を交えてわかりやすく解説します。
Makeを始める準備
Makeの導入は、無料アカウント登録からわずか数分で完了します。英語インターフェースですが、主要な機能配置と役割さえ把握すれば、直感的に操作を進めることが可能です。
アカウント登録と初期設定
Makeはクラウド型のサービスであるため、特別なサーバー構築やソフトウェアのインストールは不要です。公式サイトから簡単に登録を開始できます。
| 項目 | 内容 | 補足・ポイント |
|---|---|---|
| 推奨ブラウザ | Google Chrome | 翻訳機能を利用できるため英語表示も安心 |
| 料金プラン | Free(無料プラン) | 月間1,000オペレーションまで無料利用可能 |
| 登録方法 | Email / Googleアカウント / GitHub等 | Google連携ならワンタップで登録可能 |
登録手順は非常にシンプルです。
- 公式ページへのアクセス: Makeの公式サイト(make.com)にアクセスします。
- 「Get started free」をクリック: 画面右上のボタンを選択します。
- アカウント情報の入力: 氏名、メールアドレス、パスワードを入力するか、Googleアカウントでサインインします。
- 利用目的のアンケート回答: 職種や利用規模に関する簡単な質問に答えると、初期セットアップが完了します。
私が初めて登録した際、画面がすべて英語であることに少し抵抗感がありました。しかし、ブラウザの自動翻訳機能を活用しつつ、わからない英語の用語や設定項目があれば画面のスクショを撮影してGeminiなどの生成AIに投げかけることで、混乱することなく初期設定を進めることができました。
ダッシュボードの基本機能と画面の見方
ログイン後に表示されるダッシュボードは、Makeの全操作の拠点となります。主要なメニューと役割を把握しておきましょう。
- Scenarios(シナリオ): 自動化フローを作成・管理するメイン画面です。
- Connections(コネクション): 各アプリ(Notion、Gmail、Slackなど)との認証情報を一覧管理します。
- Webhooks(ウェブフック): 外部ツールからのリアルタイム通知を受信するエンドポイントを設定します。
- Organization / Team(組織・チーム設定): 利用メンバーの権限管理や、月間のオペレーション消費状況を確認できます。
特に経営や運用の視点から重要なのが「オペレーション数の管理」です。無料プランでは月間1,000回の実行単位(オペレーション)が上限となるため、ダッシュボードで定期的に消費ペースを確認する習慣をつけましょう。
実践!アプリ連携シナリオ作成の5ステップ
Makeでのシナリオ作成は、大きく分けて以下の5つのステップを順番に実行するだけで完了します。
以下に具体的な作成プロセスを解説します。
ステップ1:トリガーとなるアプリと動作を選択
自動化処理を開始する「きっかけ(トリガー)」を設定します。
- シナリオの新規作成: ダッシュボード右上にある「Create a new scenario」をクリックします。
- トリガーアプリの検索: キャンバス中央の「+」アイコンをクリックし、起点となるアプリ(例:Notion、Googleフォームなど)を検索します。
- イベント(動作)の指定: 「Watch Database Items(データベースの更新監視)」や「New Form Response(新しい回答の受信)」など、起動条件となるモジュールを選択します。
- アプリの認証(Connection): アプリとの接続設定を行います。OAuth認証画面が表示された場合は、指示に従ってアクセス権限を許可します。
ステップ2:アクション(処理)側アプリの設定
トリガーが発生した後に実行させたい「処理(アクション)」を追加します。
- モジュールの追加: トリガーモジュールの右側にある半円(Add another module)をクリックします。
- 連携先アプリの選択: 実行させたいアプリ(例:Slack、Google Drive、HTTPモジュール等)を選択します。
- 実行アクションの指定: 「Create a Message(メッセージ送信)」や「Make an API request(APIリクエストの実行)」などの処理を選びます。
私自身、ブログ下書きのNotionデータからGemini APIを呼び出す際、このアクション設定で「HTTPモジュール」を利用しました。APIの仕様に合わせてヘッダーやボディ(JSON構造)を設定する必要があり、最初はエラーが頻発しました。ここでも「どのパラメータをどこに入力すべきか」を設定画面のスクショ付きでAIに質問し、正しいリクエスト形式を構築することができました。
※少し高度な設定ですが、私自身もAIに助けてもらいながら設定できました
ステップ3:データマッピングの実施
トリガー側で取得したデータを、アクション側のどの項目に受け渡すかを設定する作業が「データマッピング」です。
- マッピングフィールドの選択: アクションモジュールの設定ウィンドウを開くと、前段のモジュールから渡されたデータ項目(変数)がパネルとして表示されます。
- 値のドラッグ&ドロップ: メッセージ本文やタイトルなど、挿入したい場所にパネル内の要素(例:Notionの「タイトル」「本文」フィールド)を配置します。
データ構造を扱う際の注意点
MakeではデータがJSONライクな階層構造(配列やオブジェクト)で保持されます。慣れないうちは「どの要素に欲しいテキストが含まれているのか」を判別するのが難しく感じるかもしれません。データ構造で迷った場合も、取得されたデータ(Data structure)のキャプチャをAIに見せることで、「data.properties.Text.plain_text を指定してください」といった具体的な指示が得られるため、非常に効率的です。
ステップ4:テスト実行と動作確認
シナリオ全体が意図通りに動くかを確かめるため、必ずテストを実行します。
- 「Run once」の実行: 画面左下の「Run once」ボタンをクリックします。
- テストデータの投入: トリガーとなるアプリ側で実際にデータを追加・更新します(例:Notionにテスト記事を作成)。
- 実行結果の確認: モジュールの上に緑色のチェックマークが表示されれば成功です。吹き出しアイコン(Inspect)をクリックすると、送信・受信されたデータの中身を詳細に確認できます。
- エラーのデバッグ: 赤い警告が表示された場合は、エラー内容を確認して修正します。
ステップ5:シナリオの有効化
テストが正常に完了したら、自動実行をオンにします。
- SCHEDULINGのスイッチをONにする: 画面左下にあるトグルスイッチを「OFF」から「ON」に切り替えます。
- 実行スケジュール(Schedule setting)の設定: 定期実行のインターバル(例:15分ごと、毎日〇時など)や、Webhooksによる即時実行を設定します。
- シナリオの保存: 画面下のフロッピーディスクアイコンをクリックして保存します。
まとめ:簡単なシナリオから始めよう
Makeは、異種システム間のデータを柔軟につなぎ合わせ、業務プロセス全体を劇的に効率化できる強力なノーコードツールです。
最後に、Make導入を成功させるためのポイントをまとめます。
- 英語UIや高度な設定に怯まない: 最初は英語表記やAPI連携、データ構造に戸惑うのが普通です。画面のスクショを撮影してGeminiなどの生成AIに質問しながら進めれば、専門知識がなくても課題を突破できます。
- 小さな自動化からスタートする: 最初から複雑な分岐処理を作ろうとせず、「フォーム回答をチャットに飛ばす」といった単一の通知機能から始めましょう。
- 経営視点での業務整理を行う: どの業務にどれだけの工数がかかっているかを可視化し、削減インパクトが大きい部分からMakeを適用していくことが大切です。
まずは無料アカウントを作成し、身近な定型業務の自動化から第一歩を踏み出してみてください。



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